ブルーの歴史【第31号】
【140字まとめ】いつの時代もアーティストを魅了してきた青顔料(ブルー)は,化学者たちの挑戦の結晶でもあります.この号ではフェルメールのブルー,エジプトのブルー,広重のブルー,藍染,呉須,あの国宝の青,そして最先端の「ブルーティフル」まで取り上げます.最後にちょっと珍しい「ブルー」の使い方も.
いちです,おはようございます.
今を遡ること12年前の2009年,およそ80年ぶりに新しい「ブルー」が発見されました.この新しいブルーは「インミン・ブルー」と呼ばれています.本誌【第15号】で少しだけ触れたこの新しいブルーについて,本号では深堀りしていきたいと思います.

人類が見たブルー
人間の目には2種類の細胞が備わっています.ひとつは杆体(かんたい)で,もう一つは錐体(すいたい)です.杆体はお菓子の「ポッキー」の形をしており,錐体は「たけのこの里」の形をしています.ポッキーの方は暗闇でものを見るための細胞で感度が高いのですが,色を識別することが出来ません.たけのこの里のほうはさらに L, M, S の3種類あり,それぞれが固有の色,赤,緑,青を識別するのですが,暗闇ではうまく働きません.
哺乳類のほとんどはM錐体(たけのこの里)を持っていないため,2種類の色しか区別できません.人間の場合も日本人男性の5パーセント程度,白人男性の8パーセント程度がM錐体を持っていないと見られ,彼らの色覚から,2種類の色とは黄色と青(ブルー)だということがわかっています.マーク・ザッカーバーグもまた赤と緑が見えないため,自身の創設したFacebookのテーマカラーをブルーにしたと「ニューヨーカー」誌に語っています.[参考文献]
生理学の知見から,またアイザック・ニュートンが発見し,写真技術者やTV技術者が再発見したとおり,黄色は人間の多数派にとって根源的な色ではありません.一方でブルーはほぼすべての人にとって根源的な色と言えるでしょう.ブルーは空や遠くの山,海に見られる,ユニバーサルな「背景色」と呼んでも差し支えないかもしれません.

なお杆体(ポッキー)は色覚に影響を与えないとされてきましたが,月明かりの環境ではわずかながらブルーの色覚を人間に与えるそうです.この現象は「ブルーシフト」と呼ばれています.現代の都会ではブルーシフトを体験することは不可能だと思いますが,古代の人々は頻繁に体験していたかもしれません.また工業化される前の日本人は青く自発光する「海蛍(うみほたる)」を日常的に見ていたかもしれません.古代の人々はブルーを神秘的な色と捉えていたかもしれませんね.[参考文献]
古代エジプトのブルーとフェルメールのブルー
自然界にはいくらでもあるブルーですが,いざ絵や装飾品にしようとすると,入手が困難なことに気づきます.現代でもブルーを示す顔料は他の顔料よりも高価です.例えば「リキテックス」社のアクリル絵の具の価格を見てみましょう.代表的なブルーである「コバルト・ブルー」は,代表的な黄色である「イエロー・オキサイド」の2.4倍の値段が付けられています.顔料の採掘,合成技術や物流が格段に良くなった現在でさえ価格差があるのです.古代の人々がブルーを手に入れるために,どれだけの苦労をしたのかが想像できますね.
古代エジプトの王たちは,ブルーに輝く石「ラピスラズリ」を大変に珍重しました.ラピスラズリは当時アフガニスタンだけで産出していたため,長い交易路を経てエジプトに運ばれていました.ラピスラズリは日本語では「瑠璃(るり)」と言います.

ラピスラズリを粉末にしたブルーである「天然ウルトラマリン」は現代に至るまで非常に高価であり続けています.ラピスラズリは地中海,つまりマリンを超えてヨーロッパへやってきたので,ウルトラマリンと名付けられたわけですね.また産地に近いペルシャでよく用いられたことから「ペルシアン・ブルー」とも呼ばれました.

17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールは実家が裕福だったため,当時ゴールドと同価値だったウルトラマリンをふんだんに使った絵を制作しました.そのためウルトラマリンは「フェルメール・ブルー」と呼ばれることもあります.ただ,フェルメールは晩年金策に苦労したようで,42歳または43歳という若さで亡くなっています.
さて,話を古代エジプトに戻しましょう.エジプトの王たちは人工的にブルーを生産することに報奨金を出したようで,実際に職人たちが「エジプシャン・ブルー」と呼ばれる顔料の製造に成功しています.現在知られている最古のものはおそらく紀元前3250年のもので,中王国時代(紀元前2050年から紀元前1642年)には盛んに用いられるようになります.
エジプト人たちはこの合成されたブルーを「合成ラピスラズリ」と呼んだようですが,古代ローマ人たちによって名付けられた「セルリアン」のほうが有名な名前でしょう.このセルリアン・ブルーですが,ローマ時代が終わるとの製法も徐々に失われていきました.

エジプシャン・ブルーはシリカ(二酸化ケイ素),石灰,銅,アルカリから作られます.ローマにあるアカデミア・デイ・リンチェイ,和訳すると「山猫学会」という楽しげな名前ながら由緒ある学会のメンバーであるアントニオ・スガメロッティ教授によると,15から16世紀イタリアの画家,ラファエロ・サンティはフレスコ画「ガラテイアの勝利」を描くためにエジプシャン・ブルーの製法を再発明しています.失われた「ブルー」を再現してみせたかったのでしょうね.[参考文献1,参考文献2]
漢のブルー
エジプシャン・ブルーは石灰に含まれるカルシウムと銅によって色を出しています.古代中国人たちも似たような方法でブルーを合成しようとしていました.ただし,古代中国人たちはカルシウムの代わりにバリウムという金属を使いました.このブルーは漢のブルーまたは「ハン・ブルー」と呼ばれています.
エジプシャン・ブルーとハン・ブルーは組成が似ているため,シルクロードを通って製法がエジプトから中国へ伝わったのではないかとする説もあります.ただし,中国からエジプシャン・ブルーが出土していないため,その可能性は低いかもしれません.

ハン・ブルーは紀元前1045年に始まる周(西周)の時代に発明され,漢の時代まで使われ続けましたが,その後は使われなくなりました.
地球上のバリウムの確認埋蔵量の約50パーセントは中国にあり,ヨーロッパや日本ではあまり産出しないため,ハン・ブルーは中国にとどまった可能性があります.一方,エジプシャン・ブルーの原料は世界中で産出します.
マヤのブルーと日本のブルー
コロンブスがアメリカ大陸に達する前の西暦800年頃に,南アメリカでは「マヤ・ブルー」というブルーが発明されています.こちらは植物から抽出した天然インディゴと地元の粘土を混ぜた顔料で,16世紀頃まで使われたようですが,植民地時代にその技術が失われました.この泥は中央および南アメリカでしか見つかっていないため,マヤ・ブルーは他の地域では生まれませんでした.

天然インディゴはヨーロッパ以外では豊富に取れ,顔料,染料のどちらにも使えるのですが,扱いが難しい素材です.天然インディゴは水に溶けないため,染料として使うにしてもいろいろの工夫が必要です.日本,とりわけ徳島(阿波)で行われている藍染めは天然インディゴによる染色ですが,これは天然インディゴを一度微生物によって発酵させてから染色を行う高度な技法です.日本の江戸時代,幕府は武士以外に絹を着用することを禁止しました.となると,人々が着るのは「木綿」と「麻」だけ.絹は草木でも染めることが出来るのですが,木綿や麻はインディゴ以外で染めることが難しかったため,インディゴで染める「藍染め」が日本を代表するブルーになりました.
広重ブルー
日本のブルーと言えば,浮世絵に使われるブルーを思い出された方も多いのではないでしょうか.歌川広重は作品の中でブルーを非常に印象的に使っていますし,同時代の葛飾北斎も多用しています.そのため,浮世絵に使われるブルーを「広重ブルー」あるいは「北斎ブルー」と呼ぶことがあります.

実はこのブルーは,日本原産ではないのです.1704年,ベルリンの錬金術師ヨハン・ディッペルとヨハン・ディースバッハによって発明された「紺青(こんじょう)」が江戸時代に日本に入ってきます.最初に使ったのは,江戸時代のマルチタレント平賀源内.その後大量に輸入されるようになるのですが,ベルリンの藍色ということで「ベロ藍(あい)」と呼ばれました.広重や北斎が使ったのは,このベロ藍です.ベロ藍は,ベルリンが当時プロイセンに属していたことから,現在では「プルシアン・ブルー」と呼ばれれいます.
名前は似ていますが,プルシアン・ブルーとペルシアン・ブルーは別物です.ペルシアン・ブルーはウルトラマリンの別名です.
アズライト(岩紺青)
ラピスラズリを粉末にしたものは「天然ウルトラマリン」と呼ばれて,現在に至るまで大変高価であることは先に述べたとおりです.そのため,イタリアを中心に「アズライト」という銅を主成分とする鉱物が,ウルトラマリンの代替品としてよく用いられるようになりました.しかし,このアズライトはアルプス山脈を超えなければならないドイツやオランダには届かず,それ故にディッペルとディースバッハにプルシアン・ブルーを発明する余地が残されたと言えます.また,アズライトが届いていれば,フェルメールはウルトラマリンを使わなかったかもしれません.

アズライトは世界中で産出します.ただ,緑色の「孔雀石」(マラカイト)と一緒に産出し分離が難しかったこと,ウルトラマリンほどの深いブルーを出せなかったことから,普及はしたもののどこか「代替品」という色合いが消えずにいました.日本古来の岩絵の具である「岩紺青(いわこんじょう)」もアズライトです.
マラカイトのほうは,古代エジプトのクレオパトラがアイシャドウに使っていたことで有名です.
コバルト・ブルー
酸化コバルト(II)と酸化アルミニウム(III)を混ぜて1200度で焼結させたものを「コバルト・ブルー」と呼びます.末尾の(II)とか(III)とかは酸素の混ざり度合いを示す化学者向けの記号なので無視してください.酸化コバルトに酸化アルミニウム以外の金属を混ぜ合わせる場合もあります.
コバルト・ブルーはプルシアン・ブルーよりも明るく薄いブルーなのですが,ガラス質に焼き付けられた場合には化学的に非常に安定しており,陶器の染め付けにぴったりなのです.発明されたのはおそらく中国で,8世紀頃から使われています.長崎の波佐見焼(はさみやき)は呉須(ごす)というブルーで染め付けを行うポップな焼き物ですが,この呉須もコバルト・ブルーです.コバルト・ブルーで着色された陶器やガラスを粉末にしたものはスマルトと呼ばれる顔料ですが,こちらは化学的に安定ではないため現在では使われていません.

19世紀に入りフランスでコバルト・ブルーの製法が(再び)発見されたため,この時代の画家,例えばターナー,ルノワール,モネ,ゴッホはコバルト・ブルーを多用しています.
曜変天目茶碗
一方で,確実に人間が合成したにも関わらず,その製法がわかっていないブルーもあります.
12から13世紀の中国の南宋で焼かれたものの,その後二度と焼かれず,また日本にしか現存しない「曜変天目茶碗」です.その日本にも3点ないし4点しか存在せず,3点は国宝に指定されています.記録によるともう1点日本にあったようなのですが,本能寺の変で信長とともに焼かれてしまったようです.

僕は藤田美術館収蔵の曜変天目茶碗を見たことがあるのですが,息を呑むブルーでした.曜変天目はコバルト・ブルーのような釉薬による発色ではなく「微細構造」による発色ではないかと見られています.2020年,京都の陶芸家土渕善亜貴氏が曜変天目に近い色を出すことに成功しています.釉薬ではなく焼き方に工夫を加えたとのことなので,焼き方によって微細構造に変化が生じたのかもしれません.

このような構造によるカラーを「構造色」と言います.生きた宝石とも言われるモルフォ蝶の翅(はね)のブルーは,その微細構造が産み出していることがわかっています.この分野の専門家である齋藤彰先生と先日ひさしぶりにZoomでお会いしたのですが,相変わらずパワフルに研究を進められていて,いい刺激をいただきました.

焼いて色を出すといえば,腕時計に使われるブルー・スティールもその一種です.これはステンレスを焼いて表面に青い酸化皮膜を作るものなのですが,焼き具合が大変難しいそうで,一部の高級腕時計の針に好んで用いられています.
合成ウルトラマリンとブルーLED
ブルーほど,化学者とアーティストを同時に刺激したカラーは無いかもしれません.ブルーを合成したいという欲求は,現代にまで続いているのです.
石灰でできた窯の内側にウルトラマリンのようなものが出来ているのを最初に記録したのは,なんとドイツの詩人のゲーテでした.1787年,シチリアのパレルモで発見したそうです.また1814年,フランスの画家タサエールが偶然,石灰製の窯の中でウルトラマリンのような化合物が生まれていることを発見しました.
1824年,フランスの工業奨励協会は「ウルトラマリンの代わりになる顔料を開発した人に6,000フランを与える」と発表しました.そしてついに,ウルトラマリンを合成する方法がフランスのギメとドイツのグメリンによって開発されました.ギメは製法を公開しなかったのに対し,グメリンは製法を公開したため,合成ウルトラマリンを開発したという栄誉はグメリンに与えられています.現在「ウルトラマリン」とラベルが貼られて売られている絵の具はほぼ全てが合成です.

絵の具から少し話がそれます.
2014年,日本の赤崎勇,天野浩,中村修二がノーベル物理学賞を受賞しました.彼らの受賞理由は「青色発光ダイオード(LED)」の発明です.発光ダイオードは「光る」半導体として,1962年の発明以来,大きな期待をかけられたデバイスでした.当初は赤色にしか光らなかったのですが,1972年には緑色のLEDが発明されています.今見ると黄緑色に見えるのですが,当時は緑色と呼んでいました.
その後,世界中の研究者がLEDでブルーを再現することを目指し挑戦しました.当時,ブルーは大きな壁だったのです.
1993年,徳島の日亜化学工業の中村修二がついに青色LEDの開発に成功します.彼の自著を読むと,中村自身は普遍性を追求する化学者というよりは徹底した現場主義の職人なのですが,それ故に,開発後いきなり実用レベルという「オリコン初登場1位」みたいな快挙をやってのけられたのかもしれません.
インミン・ブルー
さて,再び顔料のブルーに話を戻します.
1927年,新たなブルーが生まれています.フタロシアニン・ブルーという顔料がそれで,現在の絵の具の基本的な材料になっています.化学的安定性に優れ,また量産技術が確立しており,現在は1グラムあたり50円以下で手に入ります.

2009年,オレゴン州立大学の化学者マス・サブラマニアンと学生のアンドリュー・スミスは偶然新しいブルーを発見します.それは完璧に近い青色で,近赤外線を強く反射するという性質を持っていました.合成ブルーの歴史の最新版です.このブルーはオレゴン・ブルーまたはマス・ブルー,そして成分の名前をとってインミン・ブルーとも呼ばれています.

インミンと言っても,そう呼ばれる物質があるわけではありません.イットリウム(Y)インジウム(In)マンガン(Mn)という金属の名前を縮めてインミン(YInMn)と呼んでいるのです.それぞれに面白い歴史があるのですが,この話はまた改めてさせていただくことにしますね.
現在のところ,インミン・ブルーの使いみちにここぞと言ったものはありません.インミン・ブルーは1グラムあたりおよそ400円で市販されています.天然ウルトラマリンは1グラムあたり2,000円から3,000円と貴金属クラスなので,それよりはお買い得かもしれません.
2016年,半導体メーカー「AMD」は自社製品 Radeon Pro WX の表面をインミン・ブルーでコーティングすると大々的に発表しましたが,あとが続いていないようです.現行製品もブルーではあるのですが,インミン・ブルーでは無いようです.
2017年,アメリカのクレヨンメーカー「クレヨラ」は自社のクレヨンにインミン・ブルーを加えると発表し,名前を「ブルーティフル」としていましたが,現在は販売していないようです.クレヨンにするには高価すぎたのかもしれません.流通在庫はまだあるようなのですが,ブルーティフル入り124本セットが14,000円ほどします.通常の96色セットが1,500円程度なので,お値段のほとんどはインミン・ブルーの代金なのでしょうね.
本当に余談なのですが,2019年,豊洲市場開場後初の競りで,278キログラムのクロマグロに3億3,360万円の値が付きました.可食部を50パーセントとすると,グラムあたりのお値段は2,400円.今後は「同じ重さのウルトラマリンとほぼ同額のマグロ」と通ぶって言ってみたいものです.
ステーキもブルー?
最後に,意外なブルーの話題を.
皆さんもステーキを食べますよね?ステーキの焼き具合はどのぐらいがお好きでしょうか.
ステーキの本場アメリカでは,次のように焼き具合(doneness)が細かく決められています.あとに行くほど,生に近くなります.
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焼き過ぎ (overcooked)
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ウェルダン (well done)
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ミディアムウェル (medium well)
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ミディアム (medium)
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ミディアムレア (medium rare)
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レア (rare)
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ブルー (blue)
レアよりもさらに生に近い焼き具合を「ブルー」と言うのですね.いつか言ってみたいと思います.「僕のステーキはブルーで」と.
おすすめ書籍

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ブルーを題材にした映画にはいくつもの名作がありますが,このブルーを題材にしたTEDトークも美しく,そして訴えかけてきます.
できるだけ大きな画面で,ご覧になってください.
Q&A
匿名質問サイト「マシュマロ」および実名質問サイト「Quora」で質問を受け付けています.普段はツイッターでお返事を書いていますが「ニュースレター読んでます」と入れていただければ,こちらのニュースレターでより長めの回答を書かせていただきます.
今週はこちらの質問から.
離婚せずに長続きする夫婦の特徴ってなんですか?
僕には答える資格が無さそうなので,イギリス系アメリカ人コメディアンのヘニー・ヤングマンの回答を引用しましょう.
Some people ask the secret of our long marriage. We take time to go to a restaurant two times a week. A little candlelight, dinner, soft music and dancing. She goes Tuesdays, I go Fridays.
「たまに聞かれるんだよね,長く続く結婚の秘訣を.僕たちは週に2回,レストランへ行くんだ.薄暗い明かりの中で,いい食事と,ソフトな音楽と,ダンスを楽しむためにね.妻は火曜日,僕は金曜日に」
こちらの匿名質問サイトで質問を受け付けています.質問をお待ちしております.
振り返り
このニュースレターでは「振り返り」動画を公開しています.今回は「七夕」にまつわるお話を出島の前でしてみました.
動画の音声だけを切り出してポッドキャストにもしています.
是非お楽しみください.
あとがき
僕は水族館や海辺が大好きなのですが,ひょっとしたら青色が好きなのかもしれません.長崎の無人島「田島」では,海底を歩く海蛍(うみほたる)と,波に揺られる夜光虫が同時に光る様子を飽きずにずっと見ていました.
そうそう,僕は手首にラピスラズリの細石(さざれ)を巻いていたのですが,ある日,糸が切れて路面電車の車内にぶちまけてしまいました.もし本物だったら人生二度目の車内泣き崩れをするところだったかもしれません.
ところで,本文の中で,Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグが2色型の色覚を持っていることをお話しました.かつては「色盲」「色覚異常」と呼ばれていたのですが,現在では色覚特性の一種と捉えられています.
Facebookには「Only for Mark」(マークだけのために)というファンページがあります.マークの色覚をもってすれば見えるはず,ということなのだそうですが,果たして見えているのでしょうか.僕の目には全く何も見えません…なので,ちょっとした画像処理をしてみました.

この「Only for Mark」の画像には「スペクトル移動」という技術が使われており,これを裸眼で読める人はめったにいないのではないかと思うのですが,どうなのでしょうか.
今週も最後までお読みいただきありがとうございます.よろしければボタンを押して行ってくださいませ.(ボタンは匿名化されています.集計したデータはこのニュースレターの内容改善以外には用いません.)
では,また来週,お目にかかりましょう.
ニュースレター「STEAM NEWS by Ichi」
発行者:いち(金谷一朗)
TEDxSaikaiファウンダー・パイナップルコンピュータ代表・長崎大学情報データ科学部教授
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