4万年前に書かれた記号【第275号】
いちです,おはようございます.
先月,米国科学アカデミー紀要(PNAS)に「人類は4万年前に今日一般的な意味での記号を開発していた(Humans 40,000 y ago developed a system of conventional signs)」という紀要論文が発表されました.発表したのはドイツのザールラント大学のクリスチャン・ベンツ(Christian Bentz)准教授とドイツのベルリン国立博物館群に所属するエヴァ・ドゥトキエヴィチ(Ewa Dutkiewicz)博士です.
論文は非常に慎重に書かれていることをお断りしたうえで,本論文の発見についてお届けします.
本論文では,旧石器時代にあたる4万年前に人類が道具や彫刻に記号を刻んでいたこと,これらの記号はただの模様ではなく,現代的な文字に匹敵する情報量を持っていたことが示されています.

Mobile artifacts with geometric signs of the Swabian Aurignacian. (A) Plaquette with hybrid creature (so-called “Adorant”), ivory, Geissenklösterle (gkl0025), © Landesmuseum Württemberg, Hendrik Zweitasch. (B) Mammoth figurine, ivory, Vogelherd (vhc0145), © University of Tübingen, Juraj Lipták. (C) Rod/bâton, ivory, Vogelherd (vhc0001), © University of Tübingen, Ewa Dutkiewicz. (D) Personal ornament, ivory, Geissenklösterle (gkl0006), © University of Tübingen, Ewa Dutkiewicz. (E) Spatula/lissoir, bone, Vogelherd (vhc0017), © University of Tübingen, Ewa Dutkiewicz. (F) Spatula/lissoir, bone, Vogelherd (vhc0162), © University of Tübingen, Juraj Lipták. (G) Undetermined, bone, Hohle Fels (hfc0006), © University of Tübingen, Ewa Dutkiewicz. Drawings by Ewa Dutkiewicz. Copyright: CC-BY-SA 4.0. For further details on sign coding and preprocessing see Materials and Methods.
こちらの図は「約4万年前のシュヴァーベンジュラの洞窟群から出土した象牙・骨製の遺物群」として同論文に掲載されたものです.記号らしきものが刻まれていますね.
「約4万年前?」「シュヴァーベンジュラの洞窟群?」「象牙?」といろいろ「?」が出てきそうなので,ひとつずつ説明します.
キーワードは「オーリニャック文化(Aurignacian)」です.
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(Cover Photo by Jason Leung on Unsplash)
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