スモール・ワールド現象【第248号】
いちです,おはようございます.
皆さんは「世間は狭いなあ」と思われたことが一度ならずお有りと思います.このような現象を「スモール・ワールド現象」と呼びます.
スモール・ワールド現象とは,社会やネットワークの中で「意外とみんなが近い距離でつながっている」という現象を指します.たとえば「知り合いの知り合いをたどっていくと,世界中の誰とでも6人以内でつながる」といった「六次の隔たり」が有名です.
この現象は,1960年代にアメリカの心理学者スタンレー・ミルグラムが行った実験で広く知られるようになりました.ミルグラムは,アメリカの中西部オハマに住む人からボストン在住の特定の人物まで,手紙を知人づてにリレーして届けるという実験を行いました.その結果,平均して6人程度の中継で手紙が届いたことから,「人は6ステップ以内で世界中の誰とでもつながる」と言われるようになりました.Facebookユーザー同士となると平均3.57次だそうです.
このスモール・ワールド現象は,単なる人間関係だけでなく,インターネットやSNS,科学者の共著ネットワーク,俳優の共演関係など,さまざまなネットワーク構造で観察されます.たとえば,数学者ポール・エルデシュ(Paul Erdős)との「近さ」を示すエルデシュ数や,俳優ケビン・ベーコンとの「近さ」を示すベーコン数などの存在も,スモール・ワールド現象を示す一例です.

ポール・エルデシュ(左)ロナルド・グラハム(中央)金芳蓉(右)
さて,こんなスモール・ワールド現象について説明するときに必ず出てくる数学者ポール・エルデシュとはどんな人で,どんな研究をしていたのでしょうか.
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《目次》
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ポール・エルデシュと共著者
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エジプト式分数とエルデシュ=シュトラウス予想
-
エルデシュ・ベーコン数
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DNAのつながり
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今週の書籍
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今週のTEDトーク
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Q&A
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一伍一什のはなし
(Cover Photo by Stefan Cosma on Unsplash)
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