単位を間違えた5個の悲劇【第291号】

マイルの混同,ポンドとニュートンの取り違え,図面のミリの差.単位のちゃんぽんは,コロンブスの誤算から火星探査機の喪失,燃料切れの旅客機,沈没したヴァーサ号,スペース・マウンテンの脱線まで,五つの悲劇を招きました.メートル法とヤード・ポンド法が交錯する現場で,その教訓を読み解きます.
いち 2026.07.03
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いちです,おはようございます.

フランス革命は,旧来の複雑で地域ごとに異なっていた単位系を抜本的に見直すきっかけとなりました.革命政府は,誰にとっても公平で普遍的な単位系を目指し「メートル法」を1795年に正式に導入しました.従来の単位は,国や地方によって長さや重さがばらばらで,取引や科学の発展を妨げていたため,ひとつの基準に統一する必要がありました.その結果,メートルやグラムなど,十進法をもとにしたシンプルな単位が生まれ,現在の国際単位系(SI)の礎となりました(本誌【第18号】).

一方で,アメリカでは今なお「ヤード・ポンド法」という旧来の単位系が広く使われ続けています.日常生活だけでなく,工業製品や建築,さらには宇宙開発などの最先端分野でもヤード・ポンド法が重用されています.世界の多くの国々がメートル法に移行した中で,アメリカでは独自の単位が根強く残っているのです.この違いが,時に国際的なプロジェクトに混乱をもたらすこともあります.

今週はそんな単位を巡る混乱と,それによる悲劇を紹介します.

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《目次》

  • コロンブスの大誤算:異なる「マイル」のちゃんぽん(1492年)

  • マーズ・クライメイト・オービター:宇宙に消えた1億2,500万ドル(1999年)

  • ギムリー・グライダー:燃料の重さを勘違いした旅客機(1983年)

  • スウェーデンの戦艦ヴァーサ号:左右で違う「ものさし」(1628年)

  • 東京ディズニーランド「スペース・マウンテン」脱線事故(2003年)

  • ともあれヤード・ポンド法は滅ぼされるべきである

  • 今週の書籍

  • 今週のTEDxトーク

  • Q&A

  • 一伍一什のはなし

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続きは、7629文字あります。
  • コロンブスの大誤算:異なる「マイル」のちゃんぽん(1492年)
  • マーズ・クライメイト・オービター:宇宙に消えた1億2,500万ドル(1999年)
  • ギムリー・グライダー:燃料の重さを勘違いした旅客機(1983年)
  • スウェーデンの戦艦ヴァーサ号:左右で違う「ものさし」(1628年)
  • 東京ディズニーランド「スペース・マウンテン」脱線事故(2003年)
  • ともあれヤード・ポンド法は滅ぼされるべきである
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