占星術(astrology)と天文学(astronomy)【第289号】
いちです,おはようございます.

Photo by Meizhi Lang on Unsplash
20世紀のアメリカ合衆国が科学技術で世界を制覇した理由のひとつとして,ヨーロッパ大陸に旧来から深く根付いていた迷信や伝統的な価値観を,相対的に断ち切ることができたという点が挙げられます.ヨーロッパでは,長い歴史の中で宗教的教義や占星術など,科学とは異なる信念体系が社会や教育に強く影響を与えていました.そのため,新しい科学的発見や合理的な考え方が受け入れられるまでに時間がかかることが多く,既存の価値観との衝突もしばしば起きました.
一方,アメリカは歴史的に「新しい土地」「新しい社会」を目指して多くの人たちが集まった国です.伝統やしがらみにとらわれず「どうすれば問題を解決できるのか」「どうすればより良い生活が実現できるのか」という現実的・合理的な発想が重視されるようになりました.大学や研究機関でも,古い権威や迷信よりも,実験や観察,合理的な議論に基づいて答えを求める姿勢が発展しました.
加えて,産業の発展や移民社会の多様性も,相互に違いを認め,公平かつ実利的な方法を模索する原動力となりました.問題を「解いて答えを得る」ことを重視する文化が根づいたことで,技術革新や科学的思考が飛躍的に発展し,やがてアメリカは科学技術の分野で世界をリードする立場となったのです.
一方で,アメリカにおいても占星術は根強い人気を持ち続けています.たとえば1980年代のレーガン大統領は,公の場では否定していたものの,実際には一部の重要な日程や決断について占星術師の助言を参考にしていたという逸話が広く知られています.この話題がメディアで取り上げられた際には,大きな関心と議論を呼びました.また,現代でもアメリカではホロスコープ(holoscope)や星占いが雑誌やインターネットで日常的に取り上げられており,多くの人が自分の星座や運勢をチェックする習慣を持っています.科学的な合理主義が重視される社会でありながらも,人生や人間関係に対するヒントや心の拠り所として,占星術は文化や娯楽のひとつとして定着しているのです.このように,占星術はアメリカでも多くの人々に親しまれている存在なのです.
今週は,そんな占星術(astrology)と天文学(astronomy)についてお届けします.
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《目次》
バビロニアで生まれた占星術
ギリシアとローマが広めた占星術
デンマークとドイツで終りを迎えた占星術
今週の書籍
今週のTEDトーク
Q&A
一伍一什のはなし
(Cover Photo by Meizhi Lang on Unsplash)
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