風の谷のナウシカの元ネタと毒の話【第89号】
【140字まとめ】毒の中で育った「風の谷のナウシカ」の元ネタ「ラパチーニの娘」のさらに元ネタはアレクサンダー大王に送られた美女だった.ロシアが作り出した世界最強の毒物の名前は,ポーランドのロシアからの独立を願ってポロニウムと名付けられた...などなど,毒にまつわるお話をお届けします.
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いちです,おはようございます.
今週のおすすめ書籍にどうかなあと思って「教養(インテリ)悪口本」という書籍を読んでいたんですよ.こんな本です.
すぐ「海外では~」と言い出す人に使えるインテリ悪口「鹿鳴館精神を身につけてる」,憶えた言葉をすぐ使いたがる人用のインテリ悪口「ボキャブラリーをスタックで管理してるのかよ」・・・・・・等々,知性とユーモアが宿れば悪口は断然面白くなる.イラッときたときやモヤモヤしたときに使って,ディスりたい気持ちを教養に変える!
この本を読んでいたところ,こんな「悪口」が出てきました.
「こないだ店長に怒られて超ムカついて〜!」
「おっ,大変だったね」
「怒られたら嫌な気持ちになるから怒らない方が良いと思う!!」
「おっ,シャノンの情報理論的には情報量ゼロだね!!」
...なんとなんと「シャノンの情報理論」が出てきました.是非本誌【第88号】も悪口に使って頂ければ幸いです.
さて,僕が大学受験をした1990年代は,工学部の何学科に進むかは「死に方」選びという側面がありました.電気工学なら感電するし,機械工学なら挟まれるか焼かれるかするし,土木工学なら転落で,生物工学なら多分ウイルス感染で,化学工学なら有機溶剤の中毒で,材料工学なら重金属でやられるかなあという想像です.当時はまだ一般的ではありませんでしたが,金融工学なんて学科があったら恨み殺される道と言われたかもしれません.
僕は電気工学の道を選んだのですが,入学してからはどうにも電気に興味を失い,大学図書館でひたすら薬物の書籍を読んでいました.この号は第89(やく)号なので,そんな薬物,とりわけ「毒」についてお伝えしたいと思います.
ちなみにですが,僕は大学卒業後にエジプトの遺跡で何度か電気工事をしているので,電気工学の勉強は決して無駄ではありませんでした.
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《目次》
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日本文学に影響を与えた狂言「附子(ぶす)」
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実は猛毒だった「賢者の石」
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あらゆる意味で最強の毒「ポロニウム」
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ミトリダテス6世〜ラパチーニの娘〜風の谷のナウシカ
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おすすめ書籍:毒薬ミステリ傑作選
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おすすめTEDトーク:水銀の足跡を追って
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Q&A
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一伍一什のはなし

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- 日本文学に影響を与えた狂言「附子(ぶす)」
- 実は猛毒だった「賢者の石」
- あらゆる意味で最強の毒「ポロニウム」
- ミトリダテス6世〜ラパチーニの娘〜風の谷のナウシカ
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