ベータ(No.2)と呼ばれた数学者【第34号】
【140字まとめ】今週は「ベータ(No.2)と呼ばれた数学者」をテーマにお届けします.彼はNo.2と呼ばれたのですが,その業績は歴史的にも世界的にもトップクラスでした.幸か不幸か,彼の友人が凄すぎたのです.彼は世界で初めて地球の大きさを測り,現在でも使われている素数発見アルゴリズムを発明しました.
いちです,おはようございます.
今日は東京オリンピックの開会式ですね.しかし新型コロナウイルスの変異株が猛威を奮っているようで,日本でも変異株のひとつである「デルタ株」が急増しているそうです.御存知の通り,変異株の名前は最初に見つかった国名ではなく,ギリシア文字を順番に割り当てることになりました.従来の「イギリス株」はアルファ(α),南アフリカ株はベータ(β),ブラジル株はガンマ(γ),インド株はデルタ(δ)と呼びます.
今朝は古代ギリシアの数学者・天文学者で,大変な功績を残したにもかかわらず「ベータ(β)」つまり「2番め」とあだ名された人物にスポットライトを当ててみます.
その人物とは,エラトステネス.
名前を知らなくても仕方ありません.なにせ2番めですから.
エラトステネス
しかし,彼が2番と呼ばれるのも,歴史上あまり有名でないのも,運が悪かったとしか言いようがないのです.なぜなら「アルファ(α)」つまり「1番」が凄すぎたからなんですね.そのアルファは,エラトステネスの親友でもあった数学者アルキメデスです.実は誰がこの時代の1番かというのは諸説あるぐらい,エラトステネスの時代のアレクサンドリアは天才にあふれていたのですが,僕はアルキメデスに一票を投じます.
エラトステネスは紀元前275年生まれのギリシア人です.彼が生きた時代は「ヘレニズム」と呼ばれていますが,300年続いたこの時代の中でもエラトステネスの生きた時代こそが最盛期と言えるでしょう.ヘレニズムは紀元前30年,クレオパトラ7世の自殺によって幕を閉じます.
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