帰ってきた金星探査機【第234号】
いちです,おはようございます.
1972年3月,「ベネラ(Venera)9号」と名付けられる予定の旧ソ連製金星探査機「コスモス482号」がカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました.

ベネラ8号の記念切手(ALEXANDER MITROFANOV / ALAMY STOCK PHOTO)
コスモス482号は金星への飛行に失敗し,その後50年以上に渡って地球の周囲を迷走しました.そして今週「ソ連時代の金星探査機『コスモス482号』打ち上げから53年後に地球に落下---インド洋に」というニュースが報道されました.コスモス482号は墜落したようなのです.
コスモス482号は金星着陸に耐えられるように設計されていましたから,地球着陸にも耐えられるのではないかと見られていましたが,結局どうなったかはまだわかりません.運営企業のロスコスモスは「海に落ちた」とだけ発表しています.
金星探査機だけに堕天使「ルシファー」のような気もするのですが(ルシファーはもともと金星の意味),ロシア政府もそこまでのネーミングはせず,単にコスモス482号という味気のない名前のままミッションを終了させたようです.
今週はそんな金星探査について,お話してみます.
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(Cover Photo by Zoltan Tasi on Unsplash)