実験考古学【第200号】

実験考古学は「可能だった過去」を探る学問です.ただそれだけにとどまらず,古代人の「気持ち」を見つける学問であるかもしれません.
金谷一朗(いち) 2024.10.11
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いちです,おはようございます.

おかげさまでSTEAM NEWSは200号を迎えることができました.STEAMボート乗組員(サポーター)の皆様,そして読者の皆様のおかげです.本当にありがとうございます.

コン・ティキ号

コン・ティキ号

さて,僕はいま長崎大学の練習船「長崎丸」の船室でこの原稿を書いています.揺れる船内の夜のお供に選んだのはトール・ヘイエルダール「コン・ティキ号探検記」でした.ヘイエルダールは,南太平洋の島々であるポリネシアの住人が,南米から筏でたどり着いたはずだという自説を裏付けるために,当時と変わらない筏(いかだ)を作って南太平洋を航海……というよりは漂流してみせたのです.

ヘイエルダールのような取り組みを,僕たちは「実験考古学」と呼びます.この号では,船内で資料が限られたなかではあるのですが,実験考古学についてふたつみっつお話をしてみようと思います.

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《目次》

  • ピラミッドを作ってみる

  • 石器を加工してみる

  • 南太平洋を漂流してみる

  • 証明できるのは可能性だけ

  • 今週の書籍

  • 今週のTEDトーク

  • Q&A

  • 一伍一什のはなし

(Cover Photo by Fab Lentz on Unsplash)

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  • ピラミッドを作ってみる
  • 石器を加工してみる
  • 南太平洋を漂流してみる
  • 証明できるのは可能性だけ
  • 今週の書籍
  • 今週のTEDトーク
  • Q&A
  • 一伍一什のはなし

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