【第13号】くたばれ!ゲーテの色彩論〈前編〉

あまりにも偉大だったドイツの詩人ゲーテが「色彩」の科学に関してやっちゃった余計なこと
金谷一朗(いち) 2021.03.19
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いちです,おはようございます.

このニュースレターも【第13号】を迎えました.欧米では「13」という数字は好まれないようですね.12階の一つ上の階が14階になっているビルもあるようです.

日本では「49」が嫌われ者ですが,こんな話があります.18世紀末のこと,つまりは江戸時代末期ですね,とあるお武家さんの家にみんなが集まっていたところ,餅が49個余ってしまったそうです.49は「四十九」が「始終苦」に通ずることから大変に縁起が悪い.一同しょげかえっているところに,ある者が「そうだ!蜀山人(しょくさんじん)先生を呼ぼう!」と思いつきます.近くにお住まいだった狂歌師の蜀山人先生,事情を聞いて「それは災難でしたな.では拙者がひとつ祝ってさしあげましょう」と言い

「七福神に餅を7個ずつ配れば七々四十九(7×7=49)になるではないか.めでたいめでたい」

と祝福したところ,一同すっかり喜んだとのことです.この蜀山人先生は実在の人物で,狂歌師ながら実務能力もあったようで,なんと幕府に見出されて長崎奉行に取り立てられたりもしています.

「縁起が悪い」と言っても,少しものの見方を変えればめでたい話にもなるということですね.

なお13が欧米で「忌み数」となったのは,1ダース(12個)だと分配しやすいのに13だと途端に分配しにくくなるからという説や,1年に13回満月がある月はカレンダー制作が面倒くさくなるからという説があります.一方で,キリスト教と結びつける説はどれも根拠が薄いようです.

しかしせっかくの【第13号】ですから,僕もひとつ「嫌われ役」を買って出ましょう.お相手は,ドイツ文学の巨人,詩人にして科学者のゲーテです.今週はその〈前編〉をお送りします.

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続きは、8615文字あります。
  • 詩人ゲーテ
  • 近代的な色彩の理解
  • ニュートンの色彩論
  • おすすめTED-Ed番組
  • おすすめ(しない)書籍
  • Q&A
  • 振り返り
  • あとがき

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