逆は必ずしも真ならず【第303号】

逆を真としてしまう,相関を因果と取り違える,語源で本質を語る.人文系の文章でよく見かける論理の落とし穴を12個,考古学の現場の例もまじえて点検します.
いち 2026.10.02
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いちです,おはようございます.

エジプトでの調査が続いています.考古学の現場にいると,発掘そのものよりも「出てきたものから何が言えるか」を考える時間のほうが長いことに気づきます.土器のかけらひとつ,壁の線一本から過去を推理するのですから,推論の筋道が狂うと結論はいくらでも飛躍してしまいます.

【第302号】ではツタンカーメン王墓の奥にあるかもしれない空間の話をしましたが,あの十年の論争も,データから何が言えて何が言えないかをめぐる争いでした.

そこで今週は,論理の落とし穴を12個集めてみました.どれも誰でも犯しうる間違いですが,日本の「人文系」の文章や議論でとくによく見かけるものを選んでいます.人文系をけなしたいわけではありません.僕自身も含めて「理工系」の人間もしょっちゅう同じ穴に落ちています.点検表として読んでいただければ幸いです.

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《目次》

  • 「ならば」をめぐる落とし穴

  • 「原因」をめぐる落とし穴

  • 「根拠」をめぐる落とし穴

  • 「一般化」をめぐる落とし穴

  • 「数字」をめぐる落とし穴

  • 今週の書籍

  • 今週のTEDトーク

  • Q&A

  • 一伍一什のはなし

「ならば」をめぐる落とし穴

1.逆を真としてしまう

「優れた作家はみな読書家である.だから読書家になれば優れた作家になれる」.

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続きは、6552文字あります。
  • 「原因」をめぐる落とし穴
  • 「根拠」をめぐる落とし穴
  • 「一般化」をめぐる落とし穴
  • 「数字」をめぐる落とし穴
  • まとめ
  • 今週の書籍
  • 今週のTEDトーク
  • Q&A
  • 一伍一什のはなし

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