レシピは誰のもの?【第277号】

レシピはアイディアか,表現か.クックパッドの新機能が投げかけた問いから,著作権・AI要約・情報科学を横断して「創作と共有の境界線」を考えます.
いち 2026.03.27
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いちです,おはようございます.

クックパッドは2024年3月,ユーザーがウェブ上で見つけた気になるレシピを「スクラップ」できる新機能「レシピスクラップ」をリリースしました.この機能は,自分が発見したレシピをクックパッドアプリ上にコレクションして保存し,見返したり,有料機能になりますがメモを書き加えてアレンジしたりできる点が「売り」です.

たとえば,他の料理サイトやSNS,YouTubeなど,クックパッド外部のレシピURLを入力して,自分の「スクラップ帳」として残したり,そこに自分のコメントや評価,工夫ポイントなどを記録できます.このスクラップは,従来の「お気に入り」機能やブックマーク機能とは異なり,必ずしもクックパッド投稿レシピである必要はなく,他サイトのレシピもまとめて整理できる点が大きな違いです.またAIによる要約機能も搭載されています.

公式の狙いとしては,クックパッドユーザーの「料理の学び」や「実践メモ」の場を広げ,レシピのアイディアやノウハウのハブになること.また「レシピ自体に著作権はなくても,作り手の工夫や気付きこそ資産」という考え方を前提に,ユーザーが自分なりの価値を記録できる場所をつくろうという意図があります.

その一方で「他人のレシピを自社のアプリでスクラップすることは倫理的にどうなのか?」という点でも議論が生まれています.クックパッド自身は「引用」や「情報の整理」「体験的メモ」であり,著作権法上の問題は生じないという立場を示しています.

この「レシピスクラップ」機能の登場で,「レシピは誰のもの?」という問いへの新しい視点や社会的な議論が活発になっています.またレシピスクラップ機能が一部有料な点を突いて,本来はレシピ開発者に入るはずだった利益を奪っているのではないかという反発もあります.

というわけで,2025年度最後の記事は「レシピは誰のもの?」という疑問について,僕自身の専門でもある情報科学も含めてお届けしますね.

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(Cover Photo by Katie Smith on Unsplash)

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続きは、4636文字あります。
  • レシピは誰のもの?
  • AIによる要約はどこまで許される?
  • 情報科学におけるレシピ
  • 今週の書籍
  • 今週のTEDトーク
  • Q&A
  • 一伍一什のはなし

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