【第20号】考古学と「ムーアの法則」の意外な関係
ムーアの法則は「集積回路」のトランジスタ数が2年毎に2倍になるというものです.集積回路は今の言葉で言えば「チップ」つまりコンピュータの頭脳ですね.頭脳を構成する細胞がトランジスタというわけで,コンピュータの場合頭脳が2年ごとに2倍の大きさになっていくということです.
トランジスタ数が2年で2倍ですから,1年で1倍? いえいえ,1年ではおよそ1.4倍です.そうすると2年では1.4倍の1.4倍で,およそ2倍となります.ぜひ電卓で試してみて下さい.
ムーアの法則はしばしば「X年でY倍」のXとYが違った形,例えば「1.5年で2倍」のような形で使われることがありますし,提唱者のゴードン・ムーアも1965年には「1年で2倍」と唱えていました.また,ビル・ゲイツは新著 “How to avoid a climate disaster” の中で「1.5年で2倍」と引用しています.このXとYは異なっても,本質的には同じことなので,細かいことは気にしないことにしましょう.
コンピュータのチップに関しては,ムーアの法則はどうやら正しいようです.と言っても,ムーアの法則の対象は人間が作り出すテクノロジーですから,いつも絶対に正しいというわけではありません.そもそも我々は「法則」という言葉を何にでも使いがちなのですが,それがどのぐらい普遍性を持つかという点には気をつけなければなりません.
例えば「万有引力の法則」はおそらく宇宙全体で成り立っています.しかし,経済学で言われる「一物一価の法則」すなわち「同じ市場,同じ時点,同じ商品ならば同じ価格である」という法則は成立していないこともあります.後ほど紹介する「マーフィーの法則」に至っては「信じたほうが生きるのが楽になる」という態度を表したものです.
しかし,ムーアの法則に使われる数学に厳密に従っている物理現象があります.そして,それこそが,考古学者の最も強力な武器でもあるのです.

カーボン・フォーティーン
地球上には「カーボン・フォーティーン」または略して「C14」という物質があります.
何のとこでしょう?
C14は「炭素」の一種です.炭素にはいくつも種類があり,石炭もダイヤモンドも炭素なのですが,ここで言いたいのは,C14が炭素の「同位体(アイソトープ)」であるということです.同位体とは,化学的性質が全く同じなのに,重さが違うものです.C14に対して,地球上に最もありふれた「普通の」炭素のことをC12と呼びます.
そんな物質が他にもあります.本誌【第19号】では「水素」を取り上げました.普通の水素に比べて,2倍の重さを持つデューテリウム,3倍の重さを持つトリチウムという同位体があります.水素の同位体について,10分程度で要約をお伝えする動画を撮りましたので,よろしければご覧になってくださいね.(チャンネル登録,高評価もして頂けると嬉しいです.)
動画の中では同位体という言葉を使っていませんが,トリチウムは普通の水素の同位体です.しかも放射能を持っているので「放射性同位体(ラジオアイソトープ)」と呼びます.普通の水素のほうは別名をプロトニウムと呼びます.欧米の科学者は学名にラテン語風やときにギリシア語風を好むので,このような呼び方になりました.
なお,名称がややこしいですが石炭とダイヤモンドはお互い「同素体(アロトロープ)」と呼びます.
話をC14に戻します.C14は放射線を出す能力を持つ放射性物質です.
原子は大変小さく軽いので,重さ(質量)を測るのに「グラム(g)」ではなく「ダルトン(Da)」という単位を使います.1ダルトンはおおよそ
1Da = 0.000,000,000,000,000,000,000,001,661g
です.大雑把に言うと,プロトニウムが1ダルトン,トリチウムが3ダルトンの重さを持ちます.そして,地球上に最も多い炭素であるC12は12ダルトンの重さを持ち,いま話題のC14は14ダルトンの重さを持ちます.
C14の発見は意外と新しく,1940年にアメリカの化学者マーティン・ケイメンと,同じくアメリカの化学者で同僚のサム・ルーベンによって発見されました.発見からまだ100年と経っていないのですね.
C14はおよそ5,730年でその半分が放射線を放出し,安定した窒素へと変化します.放射するのはトリチウムの場合と同じくベータ線つまりは電子なので,通常の環境であれば被爆の心配は必要ありません.
この「5,730年で半分になる」という性質は何かと似ていませんか?
そうなんです.「X年でY倍」のXを5,730に,Yを1/2にすれば,ムーアの法則の派生と見ることが出来ますね.実際にはムーアの法則のほうが「後出し」で,正しくは「指数関数的増加(減衰)の法則」と呼ぶべきなのですが,この稿ではムーア博士への敬意も込めてムーアの法則で通したいと思います.
ムーアの法則を図示すると,増加する方は出足こそゆっくりなものの,その後急激に上昇していくことがわかります.

一方で,減衰する方を図示してみると,出足こそ急激なものの,その後はゆっくりと降下していくことがわかります.

C14の個数もまた,この減衰する方のムーアの法則に従っています.
ただし!
ただしなのです.C14は地球の大気内では壊れるのと同じ速度で生み出されてもいるのです.これは大気中の窒素が,太陽からの「宇宙線」によってC14に変換させられるためだと考えられます.大気中のC14は年間7.5キログラム程度が生成されていると推定されており,だいたい同量が我々のムーアの法則に従って減少していっているので,釣り合っているわけですね.
大気を呼吸している動物,植物は,体内にC14を取り込んでいいます.それ故,体内のC12とC14の比率は,大気中の比率と同程度になっていることも想定できます.大気中のC12とC14の比率は
1,000,000,000,000 : 1
つまり1兆対1程度です.こんなに薄まっていては見つけられそうにありませんが,C12が放射性を持たないのに対しC14は放射性を持ちますから,放射線を測れば比率がわかるのです.放射線を測るガイガー=ミュラー計数管,通称ガイガーカウンターはC14が放出するベータ線を測ることが出来ますから,C14の個数を求めるのにも使えます.
動植物が活動停止すると,つまりは死ぬと,大気からC14を取り込まなくなります.活動停止後は新たなC14の供給が無くなりますから,C14は減る一方になります.そして,C14の減る速度がわかれば,生体に残されたC12とC14の比率からいつ活動停止したのかがわかるはずです.活動停止した時期というのは,人間や動物なら生きていた年代,木なら伐採された年代,穀物や果物なら摘み取られた年代ということになります.
もうお気づきですね.C14が減る速度は,我々のムーアの法則に従っていました.それは一定の速度ではないのですが,数学的にはっきりとしたカーブを描きます.
考古学的な生体の遺物,遺跡から出てきた木材であるとか,ミイラとかから炭素を取り出し,炭素のうちのC14の含有量を調べて,我々のムーアの法則のカーブに当てはめると,その生体が最後に生きた年代を推測できるというわけです.このような年代測定方法を「放射性炭素年代測定法」と呼びます.
C14はおよそ6,000年で半分に減ってしまうわけですが,倍の1万2,000年で全てが無くなるわけではありません.最初の6,000年で半分になり,次の6,000年でさらに半分になるのです.現在の分析装置を使えば,C14を使って約6万年前まで測定可能です.
1947年に放射性炭素年代測定法を発見したアメリカの化学者ウィラード・リビーは,その功績によって1960年のノーベル化学賞を受賞しました.
なお,大気中のC14の数が一定なのは,大気中核実験が行われはじめた1945年まででした.その後は核実験によってC14の濃度が上昇したと考えられています.考古学者は「紀元前(BC)」の代わりにしばしば「BP」という年代表記を使います.考古学者でもBPを “Before Present” つまり現代から何年前という使い方をすることが多いですし,それで全く問題ないのですが,BPは正確には “Before Physics” つまり「物理学以前」で,1950年からさかのぼって何年前ということを表します.
(白状すると僕もBPは Before Present だと思っていました.)
新型コロナウイルス感染症
オリジナルのムーアの法則は「2年毎に2倍になる」という法則でした.日本でも猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)もまた,このムーアの法則と同じ数学法則が当てはまります.
感染症の場合「基本再生産数」という数字を基準にその影響を考えます.基本再生産数はR0(アール・ゼロ)とも書きます.R0は,ある感染症に対して,全く免疫を持たない集団の中で,1人の感染者が平均して何人の二次感染者を生み出すか,つまり再生産するかを示す数値です.R0はウイルスの種類によって異なりますが,新型コロナウイルス感染症に関しては,感染拡大初期のデータから,R0は2.1から5.1の間と推定されています.[参考文献1]
R0は空気感染する感染症では大きく,例えば麻疹や百日咳では10以上,飛沫感染する感染症では1.1から10の間に概ね収まるようです.エボラ出血熱(エボラウイルス病)はR0が1.3前後と見られています.そう言えばリスボン空港で一夜を明かしたとき,各国語で「エボラに気をつけろ」と書かれていてかなり怖かった思い出がありますが,R0だけ見ると空気感染の可能性は少なさそうでしたね.もっとも野宿してしまったので,いろいろ間違っていました.[参考文献2, 3]
さて次に,ひとりの感染者が平均して何日で二次感染者を生み出すかを考慮します.この時間を世代時間と呼びます.新型コロナウイルス感染症では平均4.8日と見積もられています.[参考文献4]
数字を簡単にするために,全く免疫を持たない集団内で,感染者が5日ごとに2名の二次感染者を生み出すとしましょう.「5日毎に2倍になる.」まさにムーアの法則ですね.これがどのぐらいのペースかというと,10日で4倍,1ヶ月(30日)で64倍,1年(365日)で9,440,000,000,000,000,000,000倍(94垓4,000京倍)という天文学的な数字になります.感染症が「5日毎に2倍」のペースを維持するならば,1人からスタートしても,計算上は4.5ヶ月で日本の総人口(1億3,000万人)を上回ることになります.
実際には,すでに感染が拡大している状況の中での再生産に関心があるわけで,そのために「実効再生産数」という数値が用いられます.こちらはRtとも書きます.Rtが1よりも小さければ感染症は収束に向かい,Rtが1よりも大きければ感染症は拡大します.感染症への対策は,このRtを1未満にすること以外にありません.さもなければ,感染症は際限なく増え続けます.
ムーアの法則の図で見ていただいたとおり,たとえ出足は遅く見えても,あとから急激に増加するのです.これが,感染症は初動で徹底的に抑え込まないといけない理由です.
国際オリンピック委員会(IOC)が強く求めるからと言って,日本でこの夏にオリンピックを開くのは狂気の沙汰としか言いようがないように僕は思うのですが,一体どうするのでしょう.懸念に関しては,僕なりに声を上げていきます.
マーフィーの法則
ところで,ムーア博士はこんな言葉も残しています.
「ムーアの法則はマーフィーの法則に違反している.すべてのものはどんどんよくなっていくのだ」
「失敗する可能性のあるものは,失敗する.」 (If anything can go wrong, it will.) というのがマーフィーの法則(の一種)です.例えば,乾電池は逆向きに入れてしまう「可能性」があるため,誰かが必ず乾電池を逆向きに入れます.そして「電池を入れたのに電源が入らない」とクレームします.
マーフィーの法則はたくさんのバリエーションがあり,マーフィーの法則のパロディもあります.例えば「失敗する可能性のないものも,失敗する.」 (If anything can’t go wrong, it will.) と言ったものや「マーフィーは楽天家だった」 (Murphy was an optimist.) と言ったものまであります.僕のお気に入りは「絶好のチャンスは最悪のタイミングでやってくる」というもので,よく実感しています.ピーター・ドラッカーも「ドラッカーの法則」と称して「もし何かが失敗するならば,他の全ても失敗するし,それらは同時に起こる」と掲げています.
マーフィー版「熱力学の法則」というものまであります.
第1法則.あなたは勝てない. (You can’t win.)
第2法則.あなたは引き分けられない. (You can’t break even.)
第3法則.あなたは棄権も出来ない. (You can’t even get out of the game.)
なんだか新型コロナウイルス感染症との戦いのようにも見えてきますね.
マーフィーの法則は「人生なんてそんなものさ」と思えば生きるのが楽になるような指針だと思えば良いのでしょう.僕はこの「熱力学の法則」を見て「あ,じゃあルールの方を変えたらええんやな」と思うことにしています.
マーフィーの法則が冗談とも言い切れないのは,程度の差こそあれ「間違った使われ方をする可能性のあるもの」は,いずれ「間違った使われ方をする」ことを念頭に設計しなければならないという,デザインの上での了解があることです.
例えば幼児向けの玩具は,それが摂食されてしまうことを考慮して,含まれる化学物質の基準が食品衛生法によって決められています.高所作業は転落や転倒などの重大事故が起こりやすいため,労働安全衛生法によってハーネスの着用など厳しい基準が決められています.なお運動会の組体操(人間ピラミッド)も4段程度から「高所」になるため,労働安全衛生法の精神を鑑みれば禁止すべきパフォーマンスです.
またマーフィーの法則の応用例のひとつとして「ハンロンの剃刀(かみそり)」というものがあります.これは「無能で十分説明されることに悪意を見出すな」という法則で,特にハンロン氏が言い出したわけではないのですが,偶然が重なって「ハンロンの剃刀」という名前が付きました.
ツイッターを始めとするSNSを見ていると,ついつい陰謀論に導かれがちです.東京オリンピックが中止できないのは,莫大な放映権料を手に入れる巨大企業や大物政治家の陰謀だ,というようなものです.あ,でもこれは信じてしまいそう…
皆さんのお好きな「マーフィーの法則」も是非教えて下さいね.
おすすめ書籍
2013年,水月湖が過去5万年の時を測る「標準時計」として世界に認められた.その真の意味とは? 「物差し」となった,世にも稀な土の縞模様「年縞」とは? ひとりの若き研究者が描いた夢を発端に二十数年,研究チームはどのように広がり花開いたか.国境を越えた友情,ライバルとの戦い,挫折と栄光とを,当事者が熱く語る.
考古学的な年代を推定する方法は,放射性炭素年代測定法だけではありません.むしろ放射性炭素年代測定法は新参者で,樹木の縞模様つまり年輪を使う方法や,湖底の季節性の堆積物の縞模様を数える方法が広く用いられています.

日本の福井県にある「水月湖」という湖は,湖底の堆積物が理想的な状態で保存されています.というのも,大きな河川が流れ込まないために湖底が静かで,酸素に乏しく生物がほとんど生息しておらず,また湖底がわずかずつ沈降しているために季節性の堆積物が事実上無限に重なっていくという,まさに時代のミルフィーユが出来上がる環境なのです.
この堆積物は過去16万年分が回収され,そのうち過去5万年分について放射性炭素年代測定が実施されました.この結果,水月湖の堆積物のほうから放射性炭素年代測定のほうを校正することに成功しています.
考古学者の最新鋭の武器が,日本の福井県の湖によって校正されていることは,誇りに思いたいことですね.僕も国内旅行が解禁されたら是非訪れてみたいです.
おすすめTEDトーク
「森は見えているものが全てではない」と言う生態学者のスザンヌ・シマードは,カナダの森での30年間に渡る研究で,木々はお互いに会話をしているという驚くべき発見をしました.それも,かなりの距離を隔ててでも,しばしば会話をしていたのです.調和のとれた,それでいて複雑な木々の社会生活についての話をお聴き下さい.きっと自然を見る目が一変しますよ.
今週は木々の話題を取り上げましたので,木々にまつわる驚きのTEDトークをご紹介したいと思います.
森林という複雑な世界を科学的に分析するために,スピーカーのスザンヌ・シマードはC14を使った分子のトレースを紹介しています.その結果わかってきたことは,森林が巨大なネットワークであるということ.
木は大気中の二酸化炭素を取り込み,それを糖に変えて,根に送り出しています.この二酸化炭素の炭素をC14(ともう一種類の放射性同位体であるC13)に置き換えて後を追ったところ,なんと木が炭素を融通しあっていたのです.
是非続きは動画でご覧になってください.
Q&A
匿名質問サイト「マシュマロ」および実名質問サイト「Quora」で質問を受け付けています.普段はツイッターでお返事を書いていますが「ニュースレター読んでます」と入れていただければ,こちらのニュースレターでより長めの回答を書かせていただきます.
今週のご質問はこちらから.
手裏剣を重ねて左手に乗せ,右手で水平に連続的に飛ばす.こんな技が実際に可能なものなのですか?
今週2度めの告白です…
以前十字型の手裏剣を作り,飛ばす練習をした事があります.
結論から言いますと,手裏剣を重ねて左手に乗せ右手で水平に連続的に飛ばすことは不可能でした.手裏剣を左手に乗せて右手で飛ばすのは非常に困難で,うまく飛ばせたとしても手裏剣が回転してしまいます.手裏剣が回転した場合,ターゲットには刺さりません.
十字型の手裏剣をダーツのように投げればターゲットに刺すことは出来ますが,このように投げることを前提とすると,十字型である必然性がほぼありません.
と言うわけで,ご質問のような技に僕は懐疑的です.また十字型の手裏剣の実用性そのものにも懐疑的です.
こちらの匿名質問サイトで質問を受け付けています.質問をお待ちしております.
振り返りにかえて
このニュースレターでは「振り返り」YouTubeとポッドキャストを公開しています.先週の振り返りは冒頭でご紹介させて頂いたので,もう1本YouTube動画をご紹介させていただきます.
放射性炭素年代測定法について,2020年12月26日に収録したお話です.
真冬に屋外で収録していたんですね.ちょうどこのニュースレターを始める前後だったので,冒頭でニュースレターの紹介もさせていただいていました.
なお中途半端な上方弁(大阪弁)を喋っていますが,これは学術的には「西宮ピジン」という言語なんだそうです.
最近は遠隔講義が増えたため,ひとりで画面の前でしゃべることが多いのですが,どうも講義のときはより強い上方弁になっているようです.特に1年生向けの講義ではまず90分間リモートで話を聞くという習慣をつけてもらうため,講義中3回ぐらいは「お笑い」を入れています.先日は「飛行機」で乗り過ごした話とか,先輩のサンドイッチにバファリンを挟んだ話とかをさせていただきました.
しかし芸人さんてのは偉いですな.
学生さんはカメラもマイクもオフにしてるんで,リアクションがわからへんのですわ.僕なんか講義中に「きみら,おもろかったら絵文字ボタン押さんかい!」て強制的にリアクションさせてまいますもん.
カメラの前で延々話芸を続けられるちゅうのは,ほんま偉いもんですなあ.
と,書いているうちに上方弁になってしまいました.
ほな,あとがき行こかいな.
あとがき
前回,こちらのニュースレターで読者様アンケートを取らせていただきました.アンケートの内容は「今後このニュースレターで取り上げてもらいたい話題について」でした.その結果発表です!
どこどこどこどこ(ドラム音)
第4位!「もっとアートの話を聞きたい」
ありがとうございます.「アート」の話は第4位でした.このニュースレターではこれまで「ファインアート」の話題をあまり多く取り上げてこなかったため,表彰台に上がれなかったのかもしれません.
今後はアートとも関わりの深いデザインと数学の関係も取り上げて行こうと思っておりますので,どうぞご期待ください.
さて,第3位は…
どこどこどこどこ.
第3位!「もっと宇宙や地球の話を聞きたい」
そして!
同率の第3位!「もっとエジプト考古学の話を聞きたい」
ほんまありがとうございます.僕は宇宙や地球の話が大好きで,ついつい力を入れがちになってしまうんですよね.宇宙物理学者の柴田一成先生は僕のヒーローのひとりで,先日は厚かましくも遠隔でお話もさせていただきました.
「エジプト考古学」は僕たちが長年取り組んでいるプロジェクトで,今後も必ずご紹介して参ります.是非ぜひ,お楽しみにお待ち下さい.
次は,第2位のご紹介です.
どこどこどこどこ.
第2位!「もっと数学の美しさの話を聞きたい」
わわわー.自分で選択肢を提示しておいてアレですが,数学の話をするのってめちゃくちゃ緊張するんですよね.
最近読んだ本「取材・執筆・推敲――書く人の教科書」(古賀史健)に,執筆中は「最強の読者」を想定しろと書かれていたんです.最強の読者とは,執筆者の嘘を見抜く存在.

僕は,エジプト学について触れるときは河江肖剰先生を,数学について触れるときは「数学ガール」の結城浩先生を想定しています.
ああ,言っちゃった.
ほんと,結城浩先生に読んでいただいても恥ずかしくない文章を書くことを目標に毎週研鑽してまいります.
さて!
第1位のご紹介です!
どこどこどこどこ…
第1位!「もっと科学者個人の話や駄目エピソードを聞きたい」
おおお,科学者個人の話や駄目エピソード!
僕も大好きな分野です.面白いですよね,科学者の駄目エピソード.サイエンスライターの内田麻理香先生を目標に,僕も取材を重ねて,どんどんおもしろエピソードをご紹介していきたいと思います.
今後とも,ご興味のある分野があれば是非ぜひお知らせくださいね.マシュマロを投げていただいても結構です.
では,また来週お目にかかりましょう.
参考文献
ニュースレター「STEAM NEWS by Ichi」
発行者:いち(金谷一朗)
TEDxSaikaiファウンダー・パイナップルコンピュータ代表・長崎大学情報データ科学部教授
バックナンバーはこちらから👉 https://steam.theletter.jp
匿名質問はこちらから👉 https://marshmallow-qa.com/kanaya
Cover Photo by Sebastian Unrau on Unsplash
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