☆グァルネリウスの音色を求めて【第37号別冊】

「ストラディバリウスの音色を求めて」のこぼれ話
金谷一朗(いち)
2021.08.25
読者限定

いちです,おはようございます.

本誌【第37号】でお伝えした「ストラディバリウスの音色を求めて」について,本編に書ききれなかった情報をまとめます.

こちらはもっと勉強したい人向けの「足がかり」としてお送りするものです.特にストーリーはありませんので,ご関心のない方は読み飛ばしてしまってください.

★別冊は9月1日から STEAM NEWS ご支援者様限定配信とさせて頂く予定です.ご支援受付は8月27日開始予定です.

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シンセサイザーとYMOの話

ニュースレター公開後にこの動画に気づきました.

ほんと,執筆前にこれを見ておけば良かったです.読者の皆さんも,ご関心をお持ちであれば御覧ください.

ビンテージシンセと「電気用品安全(PSE)法」

今から20年前に当たる2001年に「電気用品安全法」(通称PSE法)が施行されました.簡単に言うと「PSEマークの付いていない電気製品の販売を認めない」という法律です.法の施行に伴って猶予期間が設けられていたのですが,猶予が切れる2005年末頃に経産省から「中古品も規制対象」との解釈が打ち出されたため,音楽業界が大騒ぎになりました.

だって,モーグ・シンセサイザーにPSEマークついてないんです.そもそもモーグの伝説モデルは中古品しか無いので(*),メーカーがPSEマークを申請するということもありませんし,国内の楽器屋が「製造業者を代行して」PSEマークを申請することも現実的ではありません.

*現在は少数ながらKORG(コルグ)による受注生産が行われています.

ミュージシャンの坂本龍一らは「これは文化破壊」と反対運動を起こし,社会運動につながっていきました.これを受けて経産省は国内の中古製品販売事業者でもビンテージシンセをPSE法の例外として登録できる制度発表します.

ただ,この登録制度の発表が2006年3月14日,法律の猶予期間が同年3月31日だったため,ミュージシャンや楽器屋から「そんなん無理やん」という悲鳴が続きました.

これに対して,経産省は3月30日に突如「ビンテージものを登録しておいたで」と電子機器リストを発表します.このリストは現在も更新されていて,こちらから確認できます.

https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/file/98_format/vintage_list.pdf

もちろんモーグ・シンセサイザーも掲載されています.当時業界は「本当に経産省やりやがった」と(好意的に)ざわつきました.ビンテージシンセの中古市場は間一髪救われたことになります.

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