★ 「面白い」巨塔【第59号】〈特別配信〉
大学についてまことしやかに話されている噂話を検証してみます.「学閥は?」「上下関係は?」「教員同士は嫉妬する?」「お血筋てなに?」などなど
金谷一朗(いち)
2021.12.28
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いちです,おはようございます.
「STEAMボート乗組員」(有料購読者様)限定配信をお届けいたします.ご支援本当にありがとうございます.
最初の1年を支えてくださった御礼に,年末特別配信をお届けいたします.今回はその第4弾です.是非お楽しみください.
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山崎豊子の小説「白い巨塔」には大学という組織の理不尽さが嫌というほど描かれています.当時はその言葉がなかったが,彼女の描いた「浪速大学」医学部は今なら「パワハラ」「アカハラ」「バカハラ」の総合商社といった感じでしょう.時代背景が異なるので一概に悪と決めつけるわけにはいかないかもしれないですが,それでもあんまりです.
そこで,個別の事例はさておき「白い巨塔」に描かれたような大学の闇が現在でもあるのか考察してみましょう.
「白い巨塔」と言えば,同じ教室の東教授と財前助教授の確執つまりは「お家騒動」です.そして「白い巨塔」がベストセラーになり,何度も繰り返し映像化されている理由とも言えるのが,大学に見られる,いや日本社会に普遍的に見られるであろう「男の嫉妬」であり,また高潔ぶった支配者の後継者が叩き上げの女房役で良いのかという「お血筋」の話でもあります.